少数派 minority people 2004 3 19

 「イラクで少数派のクルド人」ということを、よく聞きます。
しかし、これを、クルド人が聞いたら、怒るでしょう。
「好きで、少数派をやっているわけではない」と言うでしょう。
 中東の各国には、少数派のクルド人がいます。
しかし、全部のクルド人を合わせれば、多数派です。
イラクのクルド人。
イランのクルド人。
シリアのクルド人。
トルコのクルド人。
アルメニアのクルド人。
 5つに引き裂かれたクルド人を、
ひとつにまとめれば、数千万人のクルド人になります。
しかし、クルド人国家は、歴史的に認められなかったのです。
 歴史を振り返れば、列強による中東地域の分割で、
人為的に国境線が引かれたのです。
 クルド人居住地域は、チグリス川、ユーフラテス川の水源に位置し、
さらに、石油資源が豊富な地域もあります。
そういうわけで、クルド人は独立を認められなかったのです。
実に、気の毒な民族です。
 経済学では、「創造的破壊」とは、
たとえて言えば、家のリフォームのことではなく、
いったん、更地にして、新しく家を建てることです。
 今、アメリカが、イラクでやっていることは、「リフォーム」です。
アメリカによる「リフォーム」が、うまく行かないならば、
中東地域の「創造的破壊」も、あり得るでしょう。
 そういうわけで、
アメリカを含む欧米列強は、真剣に、イラク復興に取り組むべきです。
 このように、歴史的に、関係が深いと言えますので、
つき合うならば、地獄の底まで、つき合うべきです。
しかし、現状では、「参加者」が少ないですね。







































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